火傷は初期対応で全てが決まります。
例えば、こんな場合。
韓流スターが好きなゆかママ。
旦那さんは出張で今日は4歳の息子、まこと君と2人です。
甘党な旦那さんが不在なので大好きなチゲ鍋を作りました。
出来上がったチゲ鍋をテーブルにセット。
まこと君に「これ熱いから、触らないでね」と言い
お皿を取りに行きました。
まこと君は言う事を聞いてチゲ鍋には触れませんでしたが、おもちゃにつまづき転倒。
テーブルのチゲ鍋をひっくり返してしまいました。
幸い顔にはかかりませんでしたが、手足や、お腹にはたくさんの鍋がかかってしまいました。
その時のゆかママの対応は次の通りです。
・慌てて、風呂場へ
・服を脱がしてシャワーで冷やす
・5分間、一生懸命冷やす
・熱が取れてきたのを確認
・様子観察
さあ、ゆかママの対応で間違っていたのはどこでしょう。
こたえあわせ
まず、チゲ鍋について、ゆかママが韓流好きとはいえ、まこと君はチゲ鍋は食べられません。
せめてサムゲタンにしましょう。
そして、チゲ鍋の「チゲ」これ、日本語に訳すと、「鍋」という意味ですから!
鍋鍋はおかしいでしょ。
ということでチゲ鍋で間違い2つ。
すいません。真面目にこたえます。
まず、すぐに服を脱がしてはいけません。
こどもの弱い皮膚はチゲ鍋の熱い汁でただれ、皮膚と衣服がくっついているおそれがあります。
よって、すぐに服を脱がすと、皮膚の表面まで剥がしてしまう恐れがあるので衣服はそのままにします。
そして服の上から冷たいシャワーをあてましょう。
そして、冷やす時間
5分では短すぎる!!
このシャワーを当てる時間が多くの人が間違っているのです。
5分の冷却では表面の粗熱は取れているかもしれません。
しかし、火傷が怖いのは熱が深部にいくことです。
なので、少なくとも20分はシャワーにあてておきましょう。
そうする事で跡が残りにくい。
皮膚のただれなど二次災害も起きにくくなります。
ここでしっかり冷やすかどうかで跡が残るなどの予後が大きく変わってきます!!
20分冷やした後に衣服を脱ぎましょう。
しっかり流水で冷やすのが大事です。
氷も冷たすぎるので、やはり冷たいシャワーです。
20分もシャワーを当てていると、親子とも少しパニックも落ちつき心理面にも良いです
(パニック=判断ミス)
“どんな場合に病院にいく?”
20分間シャワーをあてた後に、こどもの皮膚や様子を観察しましょう。
その時は、ゆかママもまこと君も心が落ち着いていると思います。
そこで、出番となるのが#8000番です。
観察した状態を伝えて指示をもらいましょう。
火傷は感染の危険性もあります。
基本的には応急処置した後は皮膚科などを受診するべきです。
火傷の専門的な分類はあえて省きます。
代わりに受診するべきか迷った時の大まかな目安を伝えます。
様子観察の目安
・火傷の範囲が本人の手のひらより小さい
・皮膚がただれていない
・本人の意識がはっきりしている
病院受診が必要な場合
・火傷の範囲が本人の手のひらより大きい
・皮膚がただれている
救急車を呼ぶ目安
・油鍋など高温の物を直接かぶった
・火傷の範囲が体の面積の半分を超えるか近いもの
・意識状態が悪い
※いずれにせよ、とにかくシャワーで冷やしましょう。
“治った後も注意”
治った後も2週間程度は患部を強い紫外線にさらすのは控えるべきです。
皮膚を覆う為に、長そでやレギンスのようなものを用意しましょう。
直接、紫外線に触れないようにするためです。
保育園に持たせるお着換えも長そでにしましょう。
“おさらい”
1火傷したら先ず冷やそう
2衣服はそのまま
3長く冷やそう(お母さんの頭も冷やそう(笑))
4「#8000」に電話してみよう
※騒ぎに気付いた同居のおばあちゃんがアロエを塗りにきても先ずは20分冷やそう!!
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